パラスポリン2は、そのほとんどがβシート構造で、生理的条件でも強い凝集性を示します。この凝集性が、細胞膜の受容体を介して2次元平面での濃縮効果をもたらすと予想しています。一般化して捉えれば、「凝集性タンパク質による生体膜への作用」といえます。

このような凝集性、細胞膜毒性は、狂牛病などに見られるプリオンタンパク質などのβ凝集と類似しているかもしれません。将来的にはプリオンやβアミロイドなどの細胞毒性の分子作用メカニズム解明も進め、β凝集毒性に共通の要因を解明したいと考えています。また、凝集を抑える分子の発見や開発を行い、難病治療へ貢献したいと思います。

また、Bt菌だけでなく、他の微生物と動物との関わりをとおして、新しい発見、新しいバイオ技術への応用を目指していきます。現在、注目している微生物はボルバキア、リケッチアなどの細胞内寄生細菌です。詳しいことは、また後日。