講義用の資料と関連リンク集


1.基礎生物学
 講義内容

  生物種生命現象の豊かな多様性は昔から人類の興味を魅きつけてきた。生物学の進歩において (1) 細胞が発見され (2) 一般生化学が発展しさらに (3) 遺伝子の実体とはたらきが解明されるに及んで、その多様性の基礎に普遍的なしくみがひそんでいることが明らかになった。生物界の全体像を理解するためには、この多様性と普遍性のダイナミックな関係を着実に把握する必要がある。現在では一般社会にも生命科学とその応用への関心が高まっているが、本講義ではそれらを専門的に理解するための第一歩として、現代生物学の基礎を学ぶ。
 また「理工系の生物学」として、簡単な計算問題を通して単位系、有効数字、計算の方針、生物世界のスケーリング、生命情報の豊かさなどの感覚を身に付ける。


 講義項目と課題

    * 一部制限あり

項  目 

課題 

解答例

0)授業要目 

pdf0

 

1)導入 --- 生物の多様性と五界  

work01

ans01 

2)生物の階層的分類と学名

work02

 

3)生命体の階層的構造と大きさ 

work03

 

4)細胞構造と細菌・ウイルス

work04

 

5a)生化学的同一性と生体物質 - 糖質、脂質など

work05a

 

5b)生化学的同一性と生体物質 - 蛋白質、核酸など

work05b

 

6)物質代謝とエネルギー代謝

work06

ans06 

7)遺伝と遺伝子 

work07

ans07 

8)遺伝子の実体とはたらき

work08

ans08 

9)生殖と発生 

work09

ans09 

10)生命の起源と進化

work10

ans10 

11a)ヒトの器官系と健康 - 動物性器官

work11a

ans11a 

11b)ヒトの器官系と健康 - 植物性器官など

work11b

 

12)生態系と環境問題

work12

 


 過去の期末試験問題

2005年

2004年

2003年

 


 参考ホームページ

生物の分類と学名  

生物の系統樹 

D. S. Goodsellイラスト集

ゲノムの遺伝子リスト  

 


2.生化学

 講義内容

 生命を維持するために、生物は代謝を行う。代謝metabolismは生命現象の精髄であり、生命の定義の3要素の1つである。代謝に関わる遺伝子はゲノム全体の3割ノおよぶ。物質代謝とエネルギー代謝の要に解糖系とクエン酸回路があり、またそれらに連関してその他の糖・炭水化物、脂質、アミノ酸、ヌクレオチドなどの異化および同化の種々の経路がある。これらの代謝を中心に、それを担う酵素、高エネルギー燐酸化合物、反応の共役、代謝異常症、代謝拮抗薬などの概念の基礎も折り込む。すなわち本講義は、1年後期の「分子生物学」で物質生化学を学んだあとを受けて代謝生化学を扱いながら、医学や薬学分野との接点にも触れるものである。
 さらには代謝の具体例に即しながら、生命現象の原理とそれに対する人間の探究活動に言及できる余裕があれば嬉しい。


 講義項目と課題

 各項目に対応する教科書の章やページを示すので、各部分の小問や章末問題を順次やっていくこと。

項  目 

エッセンシャル

柔らか生物化学

0)授業要目 

pdf0

 

1)生化学の始まり --- アルコール発酵研究略史  

--- 

3章 

2)解糖系A --- 諸反応と意義

4章p107-117, p129-131 

9章 

2)解糖系B --- 発酵、調節、代謝異常症 

4章p107-117, p129-131 

9章 

3)生体エネルギー学の基礎 --- ATPとNAD

3章p89-106 

10章 

4)酵素A --- 性質と種類  

3章p77-88, p105-106 

8章 

4)酵素B --- 反応機構と調節

3章p77-88, p105-106 

8章 

5)クエン酸回路 

4章p118-131 

9章 

6)酸化的リン酸化

13章p407-429, 443-446 

12章 

6)代謝研究の現在 

--- 

12章 

7)その他の糖代謝 --- グリコーゲン代謝、糖新生、ペントースリン酸経路 

--- 

13章 

8)脂質代謝 --- b-酸化系 

--- 

15章 

9)アミノ酸代謝

--- 

16章p220-230 

10)ヌクレオチド代謝

--- 

16章p230-235 


 参考ホームページ

代謝経路の図  

酵素のEC番号表 

大腸菌の代謝経路

Ergitoバーチャル教科書  

 


3.微生物工学

 講義内容

 微生物は目に見えないので日常的に意識することは少ないが、20世紀なかば以降に提示された生命の一般原理の多くは微生物を研究対象にして解き明かされた。体制が比較的単純で世代交代も速いため、遺伝学を飛躍的に進歩させ、分子遺伝学と分子生物学を確立した。微生物は水圏・地圏・大気圏のほかヒトや動植物の体表や体内にも多数存在し、地球生態系の重要な構成員でもある。微生物の個体数は動植物よりも多く、地球は「微生物の惑星」といえる。微生物はまた多様性も高く、食品製造や原材料生産、医療・製薬、環境浄化などへの応用も幅広い。伝統的な発酵技術のほか、遺伝子工学など近年のバイオテクノロジーでも主役の座を占めており、1995年以降多くの微生物の全ゲノム塩基配列が解かれてきた。この講義では、ゲノムの配列情報を導きの地図としながら微生物の種類・代謝・培養・利用法などについての専門知識と技術を習得し、問題解決に応用できる能力をやしなう。


 参考ホームページ

微生物分類体系 Bergey's Manual

生物学・医学分野文献検索 PubMed

微生物ゲノムプロジェクト TIGR

工場見学(発酵生産など)

 


. ライフサイエンス実験(専門実験)
イオン交換クロマトグラフィーの手順

 参考ホームページ

国立遺伝学研究所の検索と分析 

京都大学化学研究所ゲノムネット 

配列取得ツール SRS

pI/Mr計算ツール

 


5.生体分子情報特論

 参考ホームページ

  膜蛋白質の立体構造

cytochrome oxidase

photoreaction center

bc1 complex

light harvesting complex

 


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