Physics of Soft Matter, Statistical Physics and Computer Simulation of Soft Matter
ソフトマター物理, 生物物理などを含む,ソフトマターの統計力学的理論と計算機シミュレーションによる研究を行っています。
研究概要:
高分子・液晶・界面活性剤・ゲル・生体膜・コロイド・タンパク質などの柔らかい物質=ソフトマター=について、統計力学的理論や計算機シミュレーションなどの手法を用いて、 物理学的観点から研究しています。新しい相転移現象の予測や、様々な現象のメカニズムを解明し、新素材や材料設計、生体内の階層構造の理解に貢献できればと思っています。 また、ソフトマテリアルは我々の体を作っている物質であり、これらの物質が多種多様な相互作用をする結果、生命現象という我々にとって重要でかつ最も 複雑な現象が起こります。この複雑な機構を一つ一つひも解いていくソフトマターの研究は、「生命の物理」への近道かもしれない。
液晶複合系, Liquid Crystal Composite
液晶をキーワードにソフトマターの世界を研究することが私のテーマです。ただし,基礎研究なので,ものを作ったりはしていません。しかも,実験はしていません。紙と鉛筆で理論を作ったり,計算機シミュレーションを考えたりしています。 地味な研究ですが,楽しんでいます。なかでも,液晶分子と他の分子の混ぜものにとても興味を持っています。 今後の興味ある展開としては,
●化粧品と液晶(液晶化粧品)
●医薬品と液晶(液晶医薬品)
●食品と液晶(液晶食品)
●洗剤と液晶(液晶洗剤)
●バイオミメティクスと液晶(生物模倣液晶)
●アクチュエーターと液晶(液晶アクチュエーター)
●ドラッグデリバリーと液晶(薬物輸送液晶)
などのバイオマター液晶において,液晶状態が重要な要素をしめることになってくると思います。液晶ディスプレーとはまったく違う分野での液晶の再認識は必要です。このような産業がますます大きく育つことをひそかに願っています。そのためにも,なんらかの基礎的研究がお役に立ばよいのですが・・。
液晶ゲルと液晶エラストマー (Liquid Crystalline gel and elastomer)
ゲルとは,高分子鎖が3次元的につながったネットワーク状の物質で,溶媒をたくさん吸い込んで膨潤します。液晶性を備えた高分子ゲルや弾性体の基礎研究は,生体材料や新規物質の開発に貢献できるはず・・・・。
●ネマチック液晶ゲル
●スメクチック液晶ゲル
●コレステリック液晶ゲル
●その他の液晶ゲル
膜を貫通する高分子鎖 (DNA) のダイナミックス, Polymer Translocation through a membrane
●生体膜に開いた細孔を貫通する高分子鎖(DNA)
●バクエリオファージからの高分子鎖 (DNA)のパッキング・イジェクション
など,生体膜を介した高分子鎖の研究は,ドラッグデリバリーやバイオソフトマターの基礎研究です。
最近の研究成果 (Recent Results):
Open accsee Volume phase transitions of heliconical cholesteric gels under an external field along the helix axis, (Open access)2020. 11.16 (published) |
Phase transitions of heliconical smectic-C and heliconical nematic phases in banana-shaped liquid crystals2020.05.10 (accepted) |
Twist-bend nematic phases of banana-shaped molecules with an axial chirality2019.05.24 (Submitted) |