我々が発見したパラスポリン2は特定のヒトがん細胞を優先的に認識して、これを死滅させます。これも確実な「生命現象」のひとつといえます。しかし、まだわからないことがたくさんあります。どのようにしてパラスポリン2はがん細胞を認識しているのか? がん細胞表面のGPIアンカータンパク質が関与していることがわかってきましたが、パラスポリン2受容体の発見と細胞への作用が今後の重要な研究となります。さらに、パラスポリン2は抗トリパノソーマ活性を示すことがわかってきました。がんだけでなく熱帯性感染症のへの貢献も期待できます。

一方、Bt菌毒素の研究は大きな転換期をむかえています。様々なBt菌株には、我々が自然環境からは知りえない生物活性をもつ「未知な毒素」もあるようです。このような潜在的な毒素を掘り起こし、機能を調べ、医療や環境に有用な分子の発見に向けた取り組みも行っています。特にすい臓がんなどの「難治がん」やトリパノソーマなどの「感染症寄生虫」を標的に研究を進めています。
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